日本経営工学会論文誌
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原著論文(理論・技術)
評価と購買の両履歴データの学習による確率的潜在クラスモデルの推定精度向上に関する一考察
大井 貴裕三川 健太後藤 正幸
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2015 年 65 巻 4 号 p. 286-293

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抄録

近年,インターネット上の電子商取引サイトでは,ユーザの購買履歴や購買アイテムに対する評価履歴といった膨大なデータを活用したプロモーションが可能となり,特に各ユーザの嗜好や特性に合わせて自動で推薦を行う推薦システムのwebマーケティングツールとしての重要性が増してきた.このような推薦のための手法として,確率的潜在クラスモデルを用いた協調フィルタリング(以下,CF)がある.このモデルでは,顧客の商品への評価履歴を用い,未評価アイテムに対する評価値を予測することが可能である.しかし,現実世界のECサイト上での購買活動を考えると,商品を購入する利用者の大半は購入した商品に対する評価値をわざわざ投稿しない.また,頻繁に評価値情報を投稿する利用者も少数存在するが,このような利用者も全ての購入商品に対して評価値を付与するわけではない.このとき,商品アイテムが購入されたという履歴は残るものの,そのユーザがどの程度満足したかを表す評価値は得られないことになる.そこで本研究では,アスペクトモデルを用いたCFによる評価値予測問題を対象に,評価履歴データに加え,購買履歴データも同時に用いたパラメータ推定法を提案する.ベンチマークデータを用いた実験により,両履歴データを用いてパラメータを推定する本提案が,評価履歴のみを用いて学習を行う従来法に比べ推薦精度の面で優れていることを示す.

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© 2015 公益社団法人 日本経営工学会
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