日本経営工学会論文誌
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原著論文(事例研究)
伐採木の搬出作業システムの研究
― H型集材方式の特性解析と改善 ―
小谷 重徳
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2016 年 66 巻 4 号 p. 363-371

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抄録

林業の再生・発展のために国はいろいろな施策を推進してきたが,林業における生産性の低さ,輸入材の増加,木材価格の低下,需要の低迷などから林業は衰退の道を辿ってきた.今日,成長した木を伐採して市場に出荷しても補助金なしには利益がでにくい状況である.そこで,木の伐採から市場に出荷(搬出作業)するまでの費用を大幅に削減すること目指して研究に取り組んできた.本研究は,伐採した木を作業場に集める作業方法の1つであるH型集材方式を取り上げ,作業場の設置場所に関する特性解析を行い,作業場の設置場所やその数を検討する際の判断資料を提供する.また,H型集材方式の作業方法の問題点を指摘し,労働生産性が2.6倍になる改善案を提案する.改善には林業機械の改良が必要であるが,技術的には可能であることを製造会社に確認している.本改善は他の集材方式への波及効果が期待されるので,林業の生産性アップが叫ばれている昨今であり,改善案を早期に実現することが今後の課題である.

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© 2016 公益社団法人 日本経営工学会
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