2017 年 68 巻 3 号 p. 179-190
事業継続における問題点として災害時の需給ギャップの発生が挙げられる.各組織は需給ギャップを縮小するために対策を実施している.対策効果の評価にはリソースの稼働率や信頼性を単独で評価するだけでなく,対策プロセスのそれらへの影響も考慮する必要がある.リソース間の依存関係と各リソースの量から災害時の需給ギャップを定量的に評価するモデルを構築し,対策効果を定量的に評価した.次にこのモデルを実際の医療サービスに適用し,対策の効果を評価した.そしてシミュレーションによりほかの対策の効果も同様に確認し,モデルの適用可能性を検証した.