本研究の目的は,国際疾病分類を用いた傷病名分類作業の作業手順の枠組みの構築である.国際疾病分類は,WHOが作成した傷病と医療保健サービスの分類体系である.本邦では,疫学調査や医療保険をはじめ,臨床研究の基礎データとして利活用が広がっている.これらの利用は,その分類作業が分類者や分類環境に依存せず,常に適切に実行されることを前提とする. WHOは,加盟国で分類作業が適正に行われるよう,分類作業のガイドラインを示しているが,作業手順として十分な記述がなされているかの検証は行われてこなかった.本研究は,WHOのガイドラインの改善点を明らかにし,分類作業の作業手順の新たな枠組みを構築した.