2023 年 74 巻 2 号 p. 90-97
本研究は,組立加工工場における作業者の手作業をカメラで撮影し,その映像を画像解析することによって作業内容を推定し,作業測定の自動化を試みた論文である.近年,製造業において,工場に設置される様々な機器やセンサなどから製造データを収集し分析・可視化する技術は向上しているが,作業者の手作業をリアルタイムに分析し,可視化するまでは至っていない.そこで本研究では,作業者の画像を解析するにあたり,深層学習を用いて着目領域の設定と着目領域内の特徴から作業内容を推定するという二つの解析の手続きを取ることによって,高い推定精度が得られる方法を提案している.本提案方法を用いて,実際の工場で評価実験を行った結果,99.5%の作業を正しく推定することができた.さらに,この結果を踏まえて,本研究で提案する方法について,実際の運用を見据えた検討をしている.