2025 年 76 巻 1 号 p. 26-35
本研究では複数の需要シナリオが与えられたもとで共有タスクを認めた混合品種組立ラインのバランシング問題に着目した.すべての需要シナリオでタスクの並びは固定するが,実現する需要に応じてステーション数ならびにタスクとステーションの対応付けは変更できるものとし,2つの混合整数計画モデルを構築して順に解いた.共有できるタスク数は1以下とし,バッファ配置も決定事項に含めた.数値実験より複数の需要シナリオを考慮したラインの設計が平均的には好ましいこと,タスク共有は使用ステーション数の増加を抑える場合があるが想定しないシナリオへの対応力は限られていること,望ましい製造順序はバッファ数に影響されることが明らかとなった.