抄録
ある部品を組み込んだ機器を使用し, その部品に対して予防保全を行なっていく場合に, 総取替費用が最小となる保全合に必要である.本研究においては, 保全対象となる部品の組み込むまれた機器の使用時間が有限であり, その部品の故障密度関数が, 尺度母数未知のワイプル分布に従う場合を考察する.はじめに尺度母数に対する判断確率, およびそれに基づいた判断故障密度関数を導入し, モデルを定式化する.このモデルは解析的には解が得られないために, いくつかの解の性質を調べ, それを利用してコンピュータによる解決を考える.この解法においては, 形状母数とコスト比とを与えれば解が定まり, それにより, 新たなデータに適応した最適予防保全時期が求められる.しかし, この手続は複雑なため, 数値例を通じて近似的な使用法について述べる.