抄録
大規模0-1線形計画問題を計算機で解く場合, 一般には最適解に到達していなくても.ある決められた時間で計算を打ちきったり, 近似解法を用いたりしている.そこで, もし最適解もしくは近似解を求めるための計算時間が推定できれば便利であるが, 一般に知られている0-1線形計画法では陽的に列挙する解の数が不確定のためそれを推定することはむずかしい.大規模0-1線形計画問題に対する近似解を求める方法として主有効勾配法がある.この方法を用いるとアルゴリズムのくり返しの数がある程度定まるため, 計算時間を推定することができる.本論文では, 0-1線形計画問題を主有効勾配法で解く場合の計算時間の推定法を述べるとともに, その推定値と実際に行なった実験値との比較についても述べる.