日本経営工学会誌
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標本調査における副次抽出とその精度
森本 源蔵
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1980 年 31 巻 1 号 p. 68-74

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抄録
副次標本抽出は, 自然や社会の現象把握のために有効な統計的方法である.本報は, 有限集団から副次抽出するとき, 層と2次標本の大きさに対応のある場合とない場合について不偏推定平均の期待値, 分散を理論的に求めた.また, これらに特定の抽出条件を与えすでに実用化されている集落, 層化, 等層等標本副次抽出の理論式を誘導した.さらに, 調査費用のような制約条件を目的関数として1, 2次標本の適正配分についての理論式を求めた.その結果, 層と2次標本に対応のない場合は若干精度が落ちる傾向があるが, 総標本の大きさが抽出標本に関係なくつねに等しくなる利点がある.また, 2次標本の大きさが各層とも等しいとき1, 2次標本の配分が適正になるので, パラメータが未知の場合の調査に有効な方法になる.これらから, 副次抽出の実用化にさいし新しい道が拓かれることが期待される.
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© 1980 公益社団法人 日本経営工学会
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