日本舶用機関学会誌
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シミュレータによるボイラ用バーナ自動切換装置の開発
佐川 隆一曽我 一利黒崎 泰充
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1969 年 4 巻 5 号 p. 271-281

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抄録
船舶の巨大化に伴う人員増の抑止と船の安定運転をはかるため, 機関室の高度の自動化が要請されていることは周知であるが, 特にタービン船においては急激な操船の際の負荷変動に対処するボイラの操作, なかでも, バーナの自動切換装置には, 高信頼度, 高性能なものが見当らないようである.この自動切換装置はあくまでもACCおよびボイラとのマッチングという面からとらえるべき性格のものである.すなわちバーナの燃焼が安定に行なわれるよう.その動作範囲を保持すべきことは無論であるが, ボイラの蒸気圧の変化を抑制し, かつボイラの状態が安定, かつ速やかに新しい状態に収れんすることが最終目標であり, バーナ自動切換装置はボイラシステム, 否, 全推進主機システムの鎖の一環としてこれを眺めて初めて問題が解決するということとなる.本研究は, これら全システムを適切なシミュレータおよび実装置を組合せ構成させそのうえでいかなるバーナ切換シーケンス制御を行なうのが適切であるかを見出すための探索的実験研究であり, 本論文はその結果に関するものである.
前記の主旨に即し, バーナ自動切換装置を付したボイラにおいては, 在来のACCも見直す必要があることは当然である.本研究では, さしあたりボイラは圧力応答のみをシミュレートするよう油流量とカナールタンク系によるシミュレータを作成し, 該油量は標準容量の舶用ボイラ燃料流量に等しくとり, かつ標準的なボイラ圧力の近似動特性 (可変) をもつよう計画した.こうすれば, 模擬バーナおよび燃料管系は実機と全く同一容量, サイズのものとすることができる.他方, ACC装置も市販のものを装備することができ, その三要素モードを適切に使い分け, かつ全体としての組合せに対して適切なバーナ自動切換方式を実在系レベルで評価することができ, アナコン計算などより遙かに実用的な結果を得ることができる.ただ, 実ボイラ系と異なる点は燃焼過程がないので, 蒸気圧を油レベルの形でシミュレートされる点のみである.
本研究の対象は, 蒸発量80T/H級のものであり, バーナは等サイズ4本とし, 内3本が自動切換の対象となっている
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© 社団法人 日本舶用機関学会
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