抄録
最近の高速貨物船, とりわけ高速コンテナ運搬船には, 船体の剛性に対し従来に比べてはるかに大形, 大出力のディーゼル主機関がとう載される傾向にあるが, このようなディーゼル主機関には, その運動部分の不つり合い力や, 不つり合い偶力がきわめて小さいことが要求される.
機関に対するこのような要求にこたえるべく, 今般, 当社において開発したのが, 本稿で紹介する9および10シリンダ機関用の完全バランスの不等角クランク配置である.
そしてこれらのうち, 10シリンダ機関の不等角クランク配置は, すでに当社が昭和43年に建造した高速コンテナ運搬船 (15, 400DWT) の主機関に採用され, 機関性能および振動特性ともに好成績を収め得た.
本稿では, シリンダ数が9以上の機関に対して適用可能な不等角クランク配置の計算法, ならびに当社の大形9および10シリンダ機関についての計算結果をおもに述べ, さらに同10シリンダ機関の場合の実用例についても言及した.