マリンエンジニアリング
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芸予地震に関する高層免震マンションへのアンケート調査結果
大山 秀美
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2001 年 36 巻 9 号 p. 729-735

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抄録

阪神淡路大震災以降、地震に強い建物―免震めんしん建物―が注目されて急速に普及し、現在日本国内では900棟近くの免震建物が設計、建設されている。その約半数が、個人の財産を守りまたそれ自体が財産でもある、マンションである。しかし免震建物実用化の歴史は浅く、大きな地震を経験した建物が少ないのが現状である。したがって、実験や地震観測では得られない、体験に基づくデータは十分蓄積されているとは言えず、十分な情報提供ができない状況にある。
そこで筆者らは、生活協同組合愛媛県労働者住宅協会と共同で、2001年3月24日に発生した地震の際に、震度5強を記録した松山市に建つ高層免震マンション「ロージュ道後」の居住者にアンケート調査を行った。その結果、建物被害がなく、財産の損傷も少なく、今後心理的にも安心していられるなど、居住者の方がたが「免震効果に満足している」という結果を得た。

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© 社団法人 日本マリンエンジニアリング学会
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