マリンエンジニアリング
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アルカリ土類金属添加及び衝撃波エマルジョン燃料によるディーゼル排気物質への影響
Nguyen Ngoc Hai西田 修身藤田 浩嗣原野 亘大河原 孝千葉 純典広田 吾一
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2005 年 40 巻 5 号 p. 698-706

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抄録

本研究では排気物質の低減手段としてアルカリ土類金属成分を軽油に添加する方法及び衝撃波による微細化装置でナノサイズの水エマルジョン燃料を形成する方法を試みた.衝撃波法による水エマルジョン燃料においては水混合率5%, 10%及び15%において長時間放置後も分離することなく安定な乳化燃料を用いた.水の含有率を種々変えた状態でディーゼル機関にて試験を行い, 機関性能とともに, 排ガス中の窒素酸化物 (NOx) , 炭素酸化物 (COx) の排出特性及び凝集体粒子状物質の体積球相当径, 数密度及び質量濃度をSEM並びに光散乱方式による自動測定装置で測定し, それぞれの検討を行った.実験に使用した機関は単気筒横型水冷式4ストロークディーゼル機関 (2200rpm, 12.6kW) である.アルカリ土類金属成分添加燃料においては機関性能には影響なく安定運転ができ, CO, CO2及びNOx成分は特に変化がなかった.凝集粒子状物質の体積球相当径は各負荷で4~7%それぞれ小さくなり, 質量濃度は6~13%減少した.水エマルジョンにおいては, 低負荷時にCOが増加したがNOxは減少した.各負荷においてエマルジョン燃料の燃料消費量は増えたがエマルジョン燃料に使用した実質の軽油及びA重油単体の量は減少し, PMの排出量が減少した.

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© 社団法人 日本マリンエンジニアリング学会
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