Journal of the Japan Institute of Metals and Materials
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Special Issue on Hydrogen and Materials Characteristic in Solids IV
Effect of Phosphorus Content on Hydrogen Embrittlement for High Strength Steel Treated with Electroless Ni-P Plating
Makoto HinoYuho DoiRyoichi KuwanoYukinori OdaKeitaro Horikawa
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2020 Volume 84 Issue 3 Pages 80-86

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Abstract

Hydrogen embrittlement of SK85 high-strength steel sheets was evaluated through a three-point bending test. The effects of electroless Ni-P plating and Ni electroplating on hydrogen embrittlement were examined with respect to the hydrogen permeability of the plated films. On the morrow of the plating, electroless Ni-P plating indicates a high degree of hydrogen embrittlement, irrespective of the phosphorus content in the film. However, hydrogen embrittlement of Ni electroplating is further suppressed than that of electroless Ni-P plating, which can be attributed to the excellent hydrogen diffusing ability of Ni electroplating. These results demonstrate that the hydrogen permeability of a plated film is an important factor for hydrogen embrittlement. Hydrogen present on the plated film surface was visualized by employing the hydrogen microprint technique, and the corresponding results reveal that the hydrogen permeability of the plated film is dependent on the film crystal structure. Furthermore, the pits in the film can become a route for hydrogen emission.

1. 緒言

水素脆性とは,金属材料中に水素が吸収されることによって材料の強度や破壊特性が劣化し,割れ発生や早期の破断に至る現象をいう.水素脆性の要因として,水素原子が集まり,分子状水素になり,内部圧力が高まることで割れが生じる内圧理論1),原子の並びが不均一な部分(転位)に集まった水素原子が金属同士の結合を妨げて強度を低下させるという格子脆化理論2),水素がき裂先端の塑性すべりを容易にする水素助長局所塑性変形理論3),水素が塑性変形における原子空孔の生成とその凝集を助長し,延性的な破壊の進行を容易にするという水素助長ひずみ誘起空孔理論4)など,複数のモデルが提唱されており,未だ不明な点も多い.

鉄鋼材料に対する水素脆性感受性は,一般に強度の上昇とともに高まり,特に1500 MPaを超える高強度鋼ではppbオーダーの僅かな水素によって割れが生じ5),重大な事故へと繋がる.輸送機器産業では環境問題より車体の軽量化が要求され,そのため高強度鋼の適用が増加しており,これまで以上に水素脆性に対して注意する必要がある.通常,水素は,腐食,溶接,酸洗浄,めっきなどによって金属材料に吸収される.特に腐食しやすい鉄鋼材料は,長期信頼性の観点より,犠牲防食能を有する亜鉛めっきが多用されているが6),酸洗などの前処理や亜鉛めっきの際に生じる水素によって水素脆性を引き起こすことが知られている7).一方,Zn-Ni合金めっきおよびその皮膜中にシリカを分散させた複合めっきが水素脆性に対して良好な耐性を示すことを報告した8).このようにめっきの種類やシリカ複合化によって水素脆性に対する感受性が変化するが,その要因としてめっき皮膜の水素透過性が水素脆性に対して重要な因子であると推測し9),様々なめっきについて検討を進めている.

無電解Ni-Pめっきは,皮膜の析出に外部電源を必要とせず,化学的に安定な皮膜が得られることから鉄鋼材料や銅合金などの防食めっきとして適用されている.また,めっきのままで600 HV程度の硬質皮膜が得られることから耐摩耗性めっきとしても多用されている10).これまでデルタゲージ法による高田の報告11)では,無電解Ni-Pめっきの水素脆化率は1.5%以下で,水素脆性の危険性は低いめっきとされている.一方,無電解Ni-Pめっきを行ったアルミニウム合金の疲労強度が未処理のそれよりも低下し,その要因が水素脆性によるものと推測している12).このように水素脆性に及ぼす無電解Ni-Pめっきの影響は不明な点も多い.

そこで,本研究では,耐食性および耐摩耗性に優れた無電解Ni-Pめっきについて,リン含有量を変化させためっき膜の水素脆性を三点曲げ試験によって評価するとともに水素量を測定し,水素脆性と皮膜の水素透過性の関係を検討した.

2. 実験方法

基材には,Table 1に化学組成を示すSK85を使用し,Table 2に示す熱処理を行った.熱処理後の硬さの平均値は,640 HVであった.曲げ試験に供する試験片は,精密切断機により水冷しながら短冊状(70 mm × 4 mm × 0.5 mm)に切断した.なお,熱処理によって生じた酸化スケールを除去するため,#600の耐水研磨紙を用い,試験片の表面を研磨し,その後,アセトン中で超音波洗浄を行った.基材に対し,前処理として0.06 mol/L塩酸溶液に10 s浸漬した後,Table 3に示すめっき条件に従い,リン含有量の異なる3種類の無電解Ni-Pめっきおよび比較材として電解Niめっきをそれぞれ平均膜厚が5 µmになるよう施した.得られた皮膜について,SEMによる表面観察およびX線回折による結晶構造の解析を行った.

Table 1

Chemical composition of SK85 (mass%).

Table 2

Heat treatment condition for SK85.

Table 3

Bath composition and plating conditions.

三点曲げ試験には,マイクロオートグラフ(MST-I typeHS/HR)を使用した.支持間の距離を27 mmとし,その中央部に荷重を負荷させ,破断に至るまでの荷重と変位を測定した.変位速度はこれまでの検討結果9)より,水素脆性の評価が可能な0.05 mm/minとし,破断荷重を基に曲げ応力σ=M/Z(M:曲げモーメント,Z:断面係数)を求め,破断応力とした.水素脆化度[100 − (めっき後の破断応力/基材の破断応力) × 100(%)]および水素量をめっき直後から28日まで測定した.なお,水素量の測定は半導体水素センサーガスクロマトグラフィー型昇温脱離水素分析装置を使用した.用いた半導体水素センサーはNISSHAエフアイエス(株)製のSGHA-P2(検出感度5 ppb)であり,2 minに1回の水素測定が可能となっている.さらに水素マイクロプリント法13)により,基材からめっき皮膜を透過し,表面に放出される水素を観察した.基材への水素チャージは,観察面の反対側の皮膜をあらかじめ機械的に除去した試験片を準備し,観察面の反対面のみ露出させるジグにセットし,3.6 mol/L塩酸溶液にさらした後,基材をエッチングすることによって行った.なお,鉄に対する水素拡散係数を考慮し,チャージした水素を観察面に十分到達させるためにエッチング後,72 h放置した.

3. 実験結果および考察

3.1 めっき皮膜の表面形態および結晶構造

Fig. 1には,各めっき皮膜の表面SEM像を示す.無電解Ni-Pめっきは,いずれも平滑な皮膜が得られ,無電解Ni-Pめっき特有のうねりも観察され,皮膜中のリン含有量の違いによる表面形態への影響は軽微であった.一方,電解Niめっきは,無電解Ni-Pめっきとは異なり,角張った微細な析出物が観察された.さらに無電解Ni-Pめっき皮膜および電解Niめっき皮膜を詳細に観察すると,いずれの皮膜にもFig. 2に示すような100 nm以下の微細なピットが僅かではあるが認められた.

Fig. 1

Secondary electron images of the various plated films. (a) Electroless Ni-P, Low P (b) Electroless Ni-P, Middle P (c) Electroless Ni-P, High P (d) Ni electroplating.

Fig. 2

Secondary electron images of the electroless Ni-P (High P).

Fig. 3には,X線回折によって得られた各めっき皮膜の回折パターンを示す.無電解Ni-Pめっきの結晶構造について,リン含有量がおよそ8 mass%未満では結晶質,それ以上で非晶質になる.本実験に用いた無電解Ni-Pめっきのリン含有量は,低リンタイプが1.3 mass%,中リンタイプが8.5 mass%,高リンタイプが11.0 mass%である.X線回折パターンより,中リンタイプおよび高リンタイプでは43°付近にブロードなピークが認められ,これらの皮膜が非晶質構造であることがわかる.一方,電解Niめっきでは,43°付近にNiに由来する(111)面および52°付近に(200)面の回折ピークが認められ,低リンタイプのX線回折ピークもこれに類似しており,両皮膜ともに結晶質であった.

Fig. 3

X-ray diffraction patterns of various plated specimens. (a) Electroless Ni-P, Low P (b) Electroless Ni-P, Middle P (c) Electroless Ni-P, High P (d) Ni electroplating.

3.2 三点曲げ試験による破断応力

水素脆性の特徴の1つとしてひずみ速度依存性があり,低ひずみ速度ほど脆化する14).無電解Ni-Pめっき(高リンタイプ)における三点曲げ試験によって得られた変位速度と破断応力の関係をFig. 4に示す.変位速度が遅くなるにつれ,破断応力が低下し,脆化が促進されている.これらの結果は,無電解Ni-Pめっきが水素脆性を誘引することを示している.なお,変位速度が0.01 mm/minよりも遅くなると破断応力が僅かに増加しているが,これはZn-Ni合金めっき8,9)と同様,試験の最中に水素脆性を誘引する拡散性水素がめっき皮膜を透過し,基材から放出されたためと思われる.前述のデルタゲージ法による水素脆性の評価では,無電解Ni-Pの水素脆性感受性は低い値である一方,本実験では水素脆性が明確に確認された.これはデルタゲージ法での締付速度が15 mm/minであり,本実験の変位速度よりも2桁以上早いために脆化が検出できなかったと推察される.

Fig. 4

Effect of the displacement rate on the breaking stress of specimen with electroless Ni-P coating (High P).

3.3 水素脆化度の経時変化

無電解Ni-Pめっきは水素脆性を誘引することが判明した.そこで,Fig. 5には,めっき後,三点曲げ試験を実施するまでの放置時間と三点曲げ試験によって得られた各めっき皮膜における水素脆化度の関係を示す.めっき直後では,各無電解Ni-Pめっきの水素脆化度はいずれも50%付近で,高い水素脆性感受性を示し,めっき皮膜中のリン含有量による水素脆化への影響は認められなかった.なお,ここで得られた水素脆化度50%は,硫酸塩浴からの亜鉛めっきを2週間放置した場合と同程度である9).一方,電解Niめっきの水素脆化度は23.9%と,いずれの無電解Ni-Pめっきよりも水素脆性感受性が低く,めっき直後での耐水素脆性は無電解Ni-Pめっきよりも優れていることがわかった.

Fig. 5

Relationships between the time left standing from the plating and the hydrogen embrittlement rate. (a) Electroless Ni-P, Low P (b) Electroless Ni-P, Middle P (c) Electroless Ni-P, High P (d) Ni electroplating.

次に,水素脆化度に及ぼすめっき後の経時変化については,いずれのめっきも日数の経過とともに水素脆化度が低下しており,この結果はめっきによって素材中に取り込まれた水素脆性に関与する拡散性水素が時間経過とともに素材中から放出されることを示している.さらに,めっきの種類によって低下の度合いが異なる結果は,各めっき皮膜の水素透過性が異なることを示唆している.無電解Ni-Pめっきでは,低リンタイプの水素脆化度の低下が著しく,めっき後2日経過で,10%付近まで低下し,2週間後では5%を下回った.このように本実験に用いた各種無電解Ni-Pめっきの中で低リンタイプが最も良好な耐水素脆性を示した.中リンタイプおよび高リンタイプは同様な傾向を示すが,4週間後,高リンタイプの水素脆化度が低リンタイプのそれよりも僅かに低下していることから,めっき後,1ヶ月程度経過した場合,中リンタイプの水素脆性感受性が最も高いといえる.電解Niめっきの水素脆化度は,4週間後に3.9%まで低下し,低リンタイプとともに水素脆性に対して効果的であることがわかった.

3.4 水素測定

めっき前の素材,めっき前処理の酸洗,各種めっき直後の試験片について,ガスクロマトグラフィー型昇温脱離水素分析装置による水素放出量の測定結果をFig. 6に示す.素材およびめっき前処理(ピックリング)の試験片について,400℃までの水素放出は僅かであり,400℃を超えると水素が放出され始めた.なお,前処理のみを施した試験片の三点曲げ試験による破断応力は,未処理のそれと同じ値を示すことから,400℃以上で放出される水素は水素脆性に関与しないといえる.

Fig. 6

TDA results of various specimens. (a) Before plating (b) Pickling (c) Electroless Ni-P, Low P (d) Electroless Ni-P, Middle P (e) Electroless Ni-P, High P (f) Ni electroplating.

次に,各めっきを行った試験片について,いずれの試験片からも60℃付近に放出ピークが認められ,それらのピークを比較すると,電解Niめっきの水素放出量が最も低く,次いで低リンタイプの無電解Ni-Pめっきであり,中リンタイプと高リンタイプの水素放出量は,電解Niめっきおよび低リンタイプのそれよりも大幅に増加している.Fig. 5におけるめっき直後の水素脆化度と水素放出量の関係を対比すると,水素放出量の最も少ない電解Niめっきの水素脆化度は他のめっきよりも低く,水素脆化度と水素放出量は相関している.しかし,無電解Ni-Pめっきの水素脆化度は皮膜中のリン量にかかわらず,いずれも50%付近である一方,低リンタイプの水素放出量は,他の無電解Ni-Pめっきのそれよりも大幅に低下している.これらの結果は,めっき初期に試験片にチャージした水素に関して,水素脆性に関与する水素とそうでない水素が混在していることを示している.

Fig. 7には,めっき直後から4週間までの測定プロファイルにおけるトータルの放出水素量とめっき後の放置時間の関係を示す.時間経過に伴う放出水素量はめっきによって異なっており,中リンタイプおよび高リンタイプの放出水素量はめっき直後では100 ppbを超え,時間経過とともに水素量は減少した.一方,低リンタイプの無電解Ni-Pめっきおよび電解Niめっきは共にめっき直後での20 ppb程度の水素量が1日経過後には数ppbまで減少し,中リンタイプおよび高リンタイプとは大きく異なった.Fig. 7に示した各めっき皮膜の水素量の変化とFig. 5の水素脆化度の変化には相関性が認められた.これらの結果は,めっきによって基材に取り込まれた水素が水素脆性を誘引し,さらに取り込まれた水素は時間経過とともにめっき皮膜を通して放出されるが,各めっき皮膜によってそれぞれ水素透過性が異なることを示しており,水素脆性感受性はめっき皮膜の水素透過性が重要な因子であることが判明した.

Fig. 7

Relationships between the time left standing from the plating and the hydrogen desorption content. (a) Electroless Ni-P, Low P (b) Electroless Ni-P, Middle P (c) Electroless Ni-P, High P (d) Ni electroplating.

3.5 水素マイクロプリント法による水素の可視化

前節において,めっき皮膜の水素透過性が水素脆性に対して重要な因子であることが明らかになった.そこで,各めっき皮膜の水素透過性を水素マイクロプリント法によって確認した結果をFig. 8に示す.全てのめっき皮膜から微細な白い粒子が観察される.これらがめっき膜を透過し,表面に放出された水素原子と乳剤中のAgBrの酸化還元反応によって還元された銀粒子であり,試験片の裏面で吸収された水素原子が板厚0.5 mmのSK85材と厚さ5 µmのめっき皮膜を透過し,表面に放出されたことを示している.これらの透過水素を示す銀粒子の状態は各めっきによって異なっている.電解Niめっきは表面全体に分散した銀粒子が観察され,低リンタイプの無電解Ni-Pめっきも電解Niめっきよりは少ないが表面全体で分散した銀粒子が認められた.一方,中リンタイプおよび高リンタイプの無電解Ni-Pめっきでは,部分的に銀粒子が存在しており,水素マイクロプリント法における皮膜の水素透過性は,電解Niめっき>低リンタイプ>中リンタイプ=高リンタイプであり,水素脆化度および水素量の結果と一致している.

Fig. 8

SEM photographs of various surface treatments after hydrogen micro printing. (a) Electroless Ni-P, Low P (b) Electroless Ni-P, Middle P (c) Electroless Ni-P, High P (d) Ni electroplating.

各めっき皮膜の水素透過性が異なる要因として,皮膜の結晶構造が深く関与していると推測される.Fig. 3のXRDの結果より,電解Niめっきおよび低リンタイプの無電解Ni-Pめっきは結晶質,中リンタイプおよび高リンタイプが非晶質であり,水素脆化度および水素量と皮膜の結晶構造には明確な相関性が認められる.すなわち非晶質構造の皮膜の水素透過性は,結晶質皮膜のそれよりも乏しく,そのためめっきによって素材中に取り込まれた水素が水素脆性を誘引したと考えられる.松岡らは無電解Ni-Pめっき皮膜の水素拡散係数を電気化学的な手法によって測定しており,皮膜のリン含有量が8 mass%まではリン含有量の増大に伴って水素の拡散係数も増大するが,それよりもリン含有量が高くなると水素の拡散係数は急激に低下することを明らかにしており15),本実験の結果と一致している.なお,非晶質皮膜での水素の透過が抑制される要因として,結晶質と非晶質では拡散の様式が異なり,後者では粒界拡散よりも体積拡散が支配的になることに基づくことが報告されている.さらにリン含有量が高い非晶質Ni-P合金めっきでは,電解Niめっきでの面心立方格子で予想される値16)(2 × 10−10 cm2/s)よりも水素の拡散係数がかなり低いことが明らかにされている.これについては非晶質Ni-P合金の耐食性に関する研究において,表面に形成される緻密な不動態膜によって水素の透過が抑制されることに基づくことが指摘されている17)

一方,めっき皮膜の水素透過性の要因として,結晶構造の他にもめっき皮膜に存在するピットがある.Fig. 9には,水素マイクロプリント法を行った高リンタイプの無電解Ni-PめっきのSEM像を示したが,ピットから放出されたと思われる水素による銀粒子が観察された.Fig. 2に示したピットは,僅かではあるが全てのめっき皮膜に存在していることから,ピットからの水素放出は全てのめっき皮膜で生じていると推測され,今後,ピットの詳細観察を行い,水素透過性への影響を明らかにする予定である.

Fig. 9

SEM photographs of electroless Ni-P (High P) after hydrogen micro printing.

4. 結言

高強度鋼の水素脆性に及ぼす各種無電解Ni-Pめっきにおけるリン含有量の影響を三点曲げ試験によって検討した結果,めっき直後の水素脆化度について,無電解Ni-Pめっきはリン含有量に関わらず高い水素脆化度を示した.一方,電解Niめっきは無電解Ni-Pめっきよりも水素脆性が抑制された.この要因として,水素放出量の測定結果より,めっきによって素材中に吸蔵された水素が直ぐにめっき皮膜を透過して素材中から放出されることに基づくと推測された.すなわち水素脆性に対してめっき皮膜の水素透過性が重要な因子であることが明らかになった.水素マイクロプリント法より,めっき皮膜の水素透過は,めっき皮膜の結晶構造によって異なり,さらに皮膜に生成するピットも水素放出の経路になることがわかった.

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