Journal of the Japan Institute of Metals and Materials
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Special Issue on Frontier of Recycling Technology for Precious Metals II
“Urban Mines” Recycling in Astec-irie Co., Ltd.
Hiroyuki TakahashiEiji InoueNobuyuki InoueYuji KomoriMasakazu KonishiMizuki NodaTaichi Mizue
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2021 Volume 85 Issue 8 Pages 279-284

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Abstract

This paper reviews recycling technologies in Astec-irie Co., Ltd. Repellent substances and valuable metals, such as precious metals and rare metals, contained in waste electronics were separated and concentrated using superheated steam, an aqueous iron (III) chloride solution, and AI. The electronic components and substrates were separated by melting the solder with superheated steam, and the repellent substance in non-iron smelting was removed from them. The gold-plated parts contained in the electronic components were separated back into gold by dissolving the copper and nickel in the aqueous iron (III) chloride solution. The copper and nickel dissolved into the solution were separated and recovered respectively as solid components by adding iron powder. The useful metals were concentrated from the separated electronic components, which are sorted out using AI. As a result, valuable metals such as precious metals could be concentrated while reducing the concentration of repellents, thus making it possible to treat the removed repellents as useful substance.

1. 緒言

使用済み電子機器には,貴金属やレアメタルなど有用な物質が多数含まれていることが知られている.この使用済み電子機器の排出量は,増加の傾向にあり,資源の確保や有害物質の管理,廃棄物の減量化などの観点から適切に回収,リサイクルすることが求められている1

世界では,資源確保による紛争が発生したり,また使用済み電子機器が発展途上国などに不法投棄され,そこに含有する有害物質による汚染で重大な環境問題を引き起こしたり,廃プラスチック類の処理を依存してきた国からの輸入禁止措置による国内の処分費高騰などの現状がある.これらの影響を最小限に抑えるためにも,適切に回収,リサイクルすることが必要である1-8

日本では,小型家電リサイクル法が制定され,使用済み電子機器に含まれる有害物質を処理し,貴金属やレアメタルなどの物質を回収する取り組みが進んでいる9.この取り組みで重要なのは,貴金属やレアメタルなどを最終的に回収する非鉄製錬である10,11.しかし,非鉄製錬の能力はすでに逼迫している状況にある2.その要因は,樹脂やアルミニウム,鉄などの忌避物質によるものである.樹脂は,その熱量により炉を傷つけるとともに,副産物の品質を悪化させる.また鉄やアルミニウムは,スラグを増加させその性状も悪化させる.非鉄製錬の能力を活かすために,これらの忌避物質をできる限り事前に取り除くとともに,各種貴金属成分や有用物質の高濃度化が求められている.

しかし,忌避物質は,使用済み電子機器を構成する物質として必ず含まれている.そのため現状でも,各成分をある程度分離・濃縮し均一化するために,破砕と様々な方法での選別が一般的に行われている.ただ,この方法だけでは,限界にきている状況であるため,非鉄製錬の能力が逼迫した状態になっている12

この状況を回避するには,破砕せず忌避物質を事前に物理選別し,貴金属などを高濃度化することが1つの方法として考えられる.しかし,使用済み電子機器には,多数の電子部品が組み込まれ,はんだなどで固定されているため,取り外す必要がある.また,電子部品の種類毎に忌避物質や貴金属などの有用物質の含有の量が異なっているため11,取り外した電子部品をさらに選別する必要がある.

㈱アステック入江では,この電子部品を取り出し選別する方法として,塩化鉄リサイクルと過熱水蒸気を組み合わせた方法を開発した.その全体フローをFig. 1に示す.塩化鉄水溶液,都市鉱山,樹脂めっきなどのリサイクルがそれぞれ関わっていることがわかる.本稿では,本リサイクルプロセスの内容を紹介する.

Fig. 1

Recycling system flow.

This figure is reused in part from Ref. 14), 15) with permission from Astec-irie Co., Ltd.

2. 塩化鉄水溶液リサイクル技術と過熱水蒸気処理を活用したプロセス

2.1 塩化鉄液リサイクル工程

まずFig. 1中の塩化鉄水溶液リサイクル工程について説明する.後段の都市鉱山リサイクル工程(2.3節)で詳述するが,金の濃縮に塩化鉄を利用する場合,使用済み塩化鉄水溶液の再生処理が必要となる.その処理を既存の塩化鉄水溶液リサイクル技術を適用することで可能にした.

塩化鉄水溶液リサイクル技術は,半導体部品であるリードフレームを製造するエッチングメーカーから発生する使用済塩化鉄水溶液を処理し,エッチング用の塩化鉄水溶液(塩化鉄(III))として再生する技術である.これは,現在,工業的に運用されており,月に3000トン以上の処理が可能である.

使用済塩化鉄水溶液には,三価鉄イオン(Fe3+),二価鉄イオン(Fe2+),一価および二価銅イオン(Cu+, Cu2+),二価ニッケルイオン(Ni2+),三価クロムイオン(Cr3+),三価アルミニウムイオン(Al3+)などが含まれており,主成分は三価鉄イオン(Fe3+)である.エッチングメーカー毎に塩化鉄水溶液の使用方法が異なる.そのため使用済塩化鉄水溶液に含有する各成分濃度は様々である.各メーカーから発生した使用済塩化鉄水溶液は酸性であるため,FRPやテフロンの耐酸タンクローリーで回収する.

回収した使用済塩化鉄水溶液を再生するために,まず金属鉄を投入することで,三価鉄イオン(Fe3+)をすべて二価鉄イオン(Fe2+)に還元し,さらに金属鉄を追加投入することで二価銅イオン(Cu2+),二価ニッケルイオン(Ni2+)を還元し,それぞれをわけて回収する.この反応をTable 1に示す.

Table 1 Reaction Mechanism of aqueous iron chloride recycling.

これらの反応は,Table 2に示す標準電極電位の差を用いたものであり,金属鉄の投入だけで実現できる非常に簡便な方法である.銅,ニッケルは,この電位差を利用し,別々に回収することができる.

Table 2 Standard electrode potential in aqueous iron chloride recycling13).

簡便な方法といっても,ニッケルについてはその電位差が大きくないため,二価ニッケルイオン(Ni2+)濃度の低下に伴い金属鉄による還元反応は難しくなってくる.ただ,詳細な反応の過程を解析するまでには至ってないものの,塩化鉄水溶液中の二価ニッケルイオン(Ni2+)濃度は数十ppmまで低減することが可能である.

これらの還元反応については,金属鉄の添加により電位を操作することで行うが,エッチングメーカー毎に含有成分が異なるため,その電位を一概に決めることができない.そのため,最終的には液の成分分析による確認が必要である.また,三価クロムイオン(Cr3+),三価アルミニウムイオン(Al3+)については,詳細は省かせて頂くが,還元反応ではない方法ではあるが,金属鉄を用いて液から分離することが可能である.

液中成分を金属鉄で還元し二価鉄イオン(Fe2+)にした後,塩素ガスで酸化させることで,エッチングに再利用できる塩化鉄水溶液が得られる.

塩化鉄水溶液リサイクル処理は,三価鉄イオン(Fe3+)が銅やニッケルの溶解に極力使用され,三価鉄イオン(Fe3+)が低濃度で,かつ二価銅イオン(Cu2+)や二価ニッケルイオン(Ni2+)が高濃度に含有している液に対して行うことが理想的である.しかし,高精細なエッチングに使用できる液の条件は限定されており,使用済塩化鉄水溶液は,先に述べた通り三価鉄イオン(Fe3+)が主成分となっている.つまり,この液の処理方法では,主成分である三価鉄イオン(Fe3+)を大量の金属鉄で還元しなければならない.この添加した金属鉄は三価鉄イオン(Fe3+)の還元に使用されるだけで,ニッケルや銅のような有価金属を回収することができず,あまり合理的ではない.

そこで,銅とニッケルが含む樹脂めっきをリサイクル工程に組み合わせてプロセスを効率化している.

2.2 樹脂めっきリサイクル工程

樹脂めっきリサイクル技術は,先に述べたように,元々塩化鉄水溶液リサイクルの経済合理性をより高めるために開発されたものである.

樹脂めっきとは,ABSなどの樹脂の上に,銅めっき,ニッケルめっき,クロムめっきが施されているもので,車の部品や水栓金具などに使用されている.樹脂めっきの処理は,破砕,焼却もしくは埋め立てされることが一般的であるが,その構造(Fig. 2(a))を見ると,塩化鉄水溶液での溶解が可能な金属(銅,ニッケル,クロム)で構成されていることがわかる.

Fig. 2

Structure of resin plating (cross section).

This figure is reused in part from Ref. 14), 15) with permission from Astec-irie Co., Ltd.

樹脂上のめっきは,塩化鉄水溶液にて溶解後,塩化鉄リサイクル工程にて銅,ニッケルとして分離回収される.また,回収された樹脂は,酸による劣化もあまりないため,樹脂原料として再利用が可能であり,焼却や破砕,埋め立てが不要になる.

樹脂めっきを施した商品には,クロムめっきの上にさらに塗装(Fig. 2(b))を施したものが存在する.この塗装が,塩化鉄に対し堅牢な保護膜として機能するため,塩化鉄水溶液だけでは,溶解することができない.そのため,塩化鉄水溶液に溶解するため塗装の処理が必要になる.

その方法の1つが,過熱水蒸気を用いた塗装の処理である.樹脂は熱で劣化するため,なるべく塗装とめっき部だけを過熱し,樹脂まで熱が伝わらないようにする必要がある.そのため,短時間での加熱に適した過熱水蒸気を適用した.過熱水蒸気により,熱で塗装が劣化するほかに,めっき部分も過熱され,樹脂との熱膨張の差ではがれるものも存在する.塗装が劣化していれば,塩化鉄での溶解は可能であり,めっき部分もはがれていれば,より早く処理ができる.過熱水蒸気を用いることで,樹脂の熱による劣化はあまりなく,塗装付きの樹脂めっき処理も可能となった.

2.3 都市鉱山リサイクル工程

先にも述べたが,使用済み電子機器は,最終的に国内の非鉄製錬に持ち込まれて貴金属などの有用金属が回収される.製錬所での製錬において,重要な条件の1つは,能力の逼迫を回避することである.そのために各種貴金属成分の濃縮および忌避物質の除去が必要ある.そこで一般的には破砕と磁選,比重分離,分級などの手法により濃縮を行っている.

それに対して,㈱アステック入江では,過熱水蒸気を用いてはんだを溶融さることで使用済み電子機器に含まれる廃電子基板を破砕せず,電子部品を基板から分離・回収し,電子部品の選別を行い,濃縮を行っている.

はんだを溶融さるために,はんだの融点以上での加熱が必要となる.はんだには,溶融温度が高い鉛フリーはんだも含まれるが,それを識別し,仕分けし,温度設定を都度変更することは,手間がかかるため,鉛フリーはんだが溶融する温度での加熱処理になる.そのため,使用する過熱水蒸気の温度は,大気圧で220-300℃程度である.この加熱は,はんだが十分に溶融するまで行うことが望ましい.

しかし,廃電子基板には,コネクタや基板に樹脂が使用されている.これらの樹脂は,過度に加熱すると,溶けたり,燃えたりするため,はんだとは反対に加熱されないことが理想的である.そこで,樹脂めっきリサイクル技術で培った,過熱水蒸気処理を利用した.加熱時間としては,1-8 min程度である.

樹脂が必ずしも溶融しないということはないが,過熱水蒸気の使用により,はんだを溶融し,樹脂をほぼ溶融させないことが可能となった.この条件で,廃電子基板から分離した電子部品をFig. 3に,それを選別した電子部品の一部をFig. 4に,はんだが取れた基板をFig. 5に示した.ほぼ電子部品の形状をとどめており,どの電子部品の種類に該当するか,簡単に見た目で判断することができる.

Fig. 3

Removed electronic components.

This figure is reused in part from Ref. 14), 15) with permission from Astec-irie Co., Ltd.

Fig. 4

Sorted electronic components.

This figure is reused in part from Ref. 14), 15) with permission from Astec-irie Co., Ltd.

Fig. 5

Status of solder on the circuit board before and after superheatin.

This figure is reused in part from Ref. 14), 15) with permission from Astec-irie Co., Ltd.

廃電子基板は,基板と電子部品の重量比がおよそ1対1で構成されていることが多い.つまり,電子部品を基板から分離するだけで約2倍に濃縮できる.電子部品が取れた基板(Fig. 6)については,アルミニウムや鉄が取り外され,はんだも少なくなることから,その後の製錬がしやすい状態になっている.

Fig. 6

Status of the circuit board before and after removing electronic components.

This figure is reused in part from Ref. 14), 15) with permission from Astec-irie Co., Ltd.

廃電子基板から電子部品を剥離するだけではなく,濃縮することで価値を最大にするため,電子部品を含有成分毎に選別している.例えば,半導体には金やパラジウム,コネクタには金,コイルには銅が含まれている.このように,部品を選別するだけでも有価元素の濃縮ができる11.特に半導体に含まれるパラジウムの濃度は低く,基板から電子部品を分離し濃度を2倍にしたとしても評価される濃度にはならない.しかし,その電子部品から使用済み半導体を選別すると,パラジウムは評価される濃度まで上昇する.そのため,そのパラジウム評価分だけ,使用済み半導体の価値を上昇させることができる.また,他の電子部品が混ざっていると価値がないTaコンデンサや,非鉄製錬で嫌われるアルミコンデンサなども,この選別によりに価値が生じる可能性がある.例えば,分離したアルミコンデンサについては,このように選別しても現状ではアルミニウムの原料としては再利用は難しいが,製鉄の脱酸剤としての用途が生まれてくる.つまり,この選別方法により非鉄製錬の忌避物質を除く以上に価値が見出せるようになる.

電子部品の選別の方法として,Fig. 4からわかる通り電子部品はその形状をほぼとどめているという特徴があるため,見た目での選別が考えられる.しかし,電子部品は,1枚の基板におよそ1000個程度実装されており,その重量,大きさ(おおよそ2 mmから100 mmの開きがある)も様々であることを考慮すると,人手での選別は,あまり現実的ではない.例えば,ICは,金が高濃度で含まれパラジウムの価値も付加され,ある程度の大きさもあるため,人手で選別しても価値がある.しかし,その他の部品は,人手をかけられるほどの価値を見出せている電子部品はほとんどない.そこで,この選別では,電子部品の画像を学習させたAIを用いることを検証している.製品ではなく,廃棄物であるため,対象となる種類が商品以上に豊富で一定でもなく,また傷や汚れもあるため少しずつ形状が異なっている.また,商品の電子部品を製造するわけではないため,ある程度の選別の間違いは許容できる部分がある.そこで,柔軟に対応ができるAIを用いて選別することとした.

AIの学習は初期段階であるが,それでも主要な部品は,90%以上の確立で選別することができている.現状は,最適な学習方法を検証しながら,その精度の向上を行っている段階である.現状のAI選別では,他の電子部品が混ざってしまうため,Taコンデンサは価値があるわけではないが,濃縮されており容積も小さくなることから,技術が向上し価値が見出せるまでの備蓄方法としても適していると考えられる1,4,9,11,12

選別した電子部品のうち,金めっき(Fig. 7)などがあるものについては,さらに塩化鉄を用いて濃縮を行い,価値の向上を行っている.電子部品の金めっきは,概ねFig. 8のような構造になっている.これを見てわかる通り,樹脂めっき製品と構造が似ていることがわかる.金は塩化鉄では溶解しないが,めっきが非常に薄いため,金の下地である銅やニッケルを溶解することが可能である.そして,この溶解液をろ過することで,金が回収できる.回収した金をFig. 9に示す.Fig. 7から,1つ1つの金めっきは,本体に比べ非常に小さいことがわかる.また,破砕をしていないので微細な破砕くずなどの混入もほとんどなく,小さい電子部品が少し混入する程度である.この大きさの違いを利用し,樹脂だけが引っかかるような目の粗いフィルタでの濾過をすることで,非常に簡単にFig. 9のように金を回収することができる.この方法で回収された金の純度は,90%を超える.もちろん,この溶解に使用した塩化鉄水溶液に銅やニッケルが含まれるが,前述した塩化鉄リサイクル工程にて,その回収が可能である.㈱アステック入江の都市鉱山リサイクルは,金を金属として回収できるため,金の本当のマテリアルリサイクルと言われている3

Fig. 7

Electronic components with gold plating.

This figure is reused in part from Ref. 14), 15) with permission from Astec-irie Co., Ltd.

Fig. 8

Structure of gold plating (cross section).

This figure is reused in part from Ref. 14), 15) with permission from Astec-irie Co., Ltd.

Fig. 9

Gold recovered by filtration.

This figure is reused in part from Ref. 14), 15) with permission from Astec-irie Co., Ltd.

2.4 回収した金の高付加価値化

2.3節のプロセスで回収した金は,元々は電子部品の金めっきであるため,かなり高純度な金であると考えられる.そこで,回収した金を製錬せずに,そのままシアン系の液に溶解し,金めっき浴を作製し,その浴を利用し金めっきし得るかの検証を行った.金めっきは電気分解で行い,アノードにIr系電極を用い,カソードには,銀,銅,ステンレス,ニッケルなどを用いた.

めっきは容易にできることが確認されたため,続いてその金めっきの純度の確認を行った.方法は,同じ金めっき浴,カソードにチタンを用い,チタン上に電析させた金を剥離し,その剥離した金について,ICPを用いて成分分析を行った.その結果,金の純度は99.93%であると確認された.これは,純金とされる99.9%以上の純度であり,純金相当であることが確認された.

このようにして回収した金を原料に用いた商品については,使用済み電子機器から回収した金という付加価値をつけることができる.実際に,この付加価値が認められ,スポーツ大会の金メダルなどに採用された事例がある3

3. 結言

本稿では㈱アステック入江における都市鉱山リサイクル関連技術を解説した.過熱水蒸気を用いることで,廃電子基板に実装される樹脂の溶融を最小限に抑えつつはんだを溶融することで,元の形状をほぼ維持しつつ基板と電子部品の分離が可能となった.そのため,分離された電子部品に含まれる忌避物質も容易に分離することが可能である.

また,金めっきが施された電子部品については,塩化鉄水溶液を用いることで,金めっき部分は溶解させず,めっきの下地である銅,ニッケルを塩化鉄水溶液に溶解し,金をそのまま回収することが可能である.

塩化鉄水溶液に溶解された銅,ニッケルについては,既存の塩化鉄水溶液リサイクル工程を組み合わせて分離回収している.

分離された電子部品は,多少は汚れや破損はあるものの,外見で電子部品の種類が区別できる程度に元の形状を維持している.そのため,これらの電子部品の画像を学習させたAIによる電子部品の選別技術の開発を進めている.忌避物質や貴金属,有用金属の分離,濃縮が可能であることがわかっており,特に,忌避物質で非鉄製錬に嫌われていたアルミコンデンサについては,それのみを分離回収することで,製鉄の副原料である脱酸剤としての価値を見出すことができた.より効率よくリサイクルを行うため,AIによる選別技術を早急に確立し,社会に貢献していきたい.

公益財団法人福岡県リサイクル総合研究事業化センター センター長の中村崇先生には,このリサイクル技術に対し多くの助言を頂いたこと,またこの執筆にあたり多くの助言を頂きましたことをこの場をかりて心から感謝申し上げます.

またこの執筆にあたり東京大学生産技術研究所持続型エネルギー・材料統合研究センターセンター長の岡部徹先生をはじめ多数の方々にご助力頂いたことをこの場をかりて心から感謝申し上げます.

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