日本食生活学会誌
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論文
冷凍した食用担子菌類の嗜好性
石黒 弥生藤原 しのぶ佐々木 弘子松本 仲子菅原 龍幸
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2006 年 17 巻 3 号 p. 247-254

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抄録

  シイタケ, マツタケ, ブナシメジ, エリンギ, マイタケ, ツクリタケの6種類のキノコ類を緩慢凍結した後に加熱すると, 実験に用いた6種類のキノコ類全てについて, RNAは生キノコを加熱調理したものより有意に, 或いは, より低下の傾向を示した。これに伴い, 生キノコを加熱したものに比べ, 緩慢凍結してから加熱したキノコの5'-GMPは, 実験に用いた全てのキノコについて有意に増加した。これは, SEMによる観察から凍結したキノコの場合, 加熱調理時にドリップの生成が多く, 酵素作用が活発に行われるためと考えられる。
  冷凍したキノコと生キノコを用いてキノコ飯を作り, 両者についてその受容性を比較したところ, 冷凍キノコを用いたものが生キノコを用いた場合より味が好まれたのは, シイタケであり, 味, テクスチャー, 総合で好まれたものは, ブナシメジであった。香りで好まれたものは, マツタケ, ブナシメジ, 醤油味のマイタケであった。
  逆にマイタケを用いた塩味の場合は, 生キノコが色, テクスチャー, 総合において冷凍キノコを用いた場合より有意に好まれていた。しかし, 醤油味にした場合は, 香りについて逆に冷凍キノコが好まれた他, 両者の間で有意な差は見られなかった。マイタケを味噌汁の具にした場合は, 冷凍キノコが生キノコを用いた場合より, 色, 汁の味, キノコの味, 総合評価共に有意に冷凍キノコが好まれた。
  以上の他に, テクスチャー, 総合の評価では, 冷凍キノコを用いた場合と生キノコを用いた場合とを比較した場合, 両者間に有意な差は見られなかった。これらの結果から, キノコ類を家庭でブランチング処理をせずに冷凍して短期間保存し利用することは可能であると考えられる。

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© 2006 日本食生活学会
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