日本食生活学会誌
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論文
テーブルクロスの色が喫食者の心理に及ぼす影響
―異なる室内照度下での検討―
冨田 圭子小野 真紀子饗庭 照美大谷 貴美子
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2007 年 18 巻 1 号 p. 48-55

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抄録
  喫食者のQOL向上のために, 食事の満足感や食心理におけるテーブルクロスの色彩効果を3種類の照度下 (12~22ルクス (暗モデル), 400~600ルクス (標準モデル) 850~1050ルクス(明モデル)) の元で分析した。
  喫食者の心理に見合ったテーブルクロスの効果的な使用は喫食者のQOLを上昇させることが示された。
  400~600ルクス下において, カラーチャートから多くの被験者に選択された好みの色 (青と赤) は食卓に相応しいテーブルクロスの色 (ベージュや白) と異なっていた。共に食事をしたいと思う人数は, テーブルクロスの色よりも, 明るさに影響していることが示された。大人数で食べたい場合は, 850~1050ルクス下での赤・黄・ベージュ・青が, 少人数で食べたい場合には, 12~22ルクス下での赤や黄, あるいは400~600ルクス下でのベージュ, または850~1050ルクス下での黒が好まれた。カップルで食べたい場合は, 12~22ルクス下の黒がもっとも好まれた。
  また, 850~1050ルクス下のベージュ, 白, 黄のテーブルクロスは, 食欲を増進させたり会話を促したりする効果があった。さらに, 癒しの空間を演出するためには, 400~600ルクス下のベージュのテーブルクロスが相応しかった。
  このように, ベージュのテーブルクロスは, 様々なTPOに最も適応できる色であることが明らかとなった。
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© 2007 日本食生活学会
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