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日本救急医学会雑誌
Vol. 18 (2007) No. 12 P 810-814

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http://doi.org/10.3893/jjaam.18.810

症例報告

血液凝固第VII因子は血友病患者の止血に使用されてきたが, 近年術中や外傷による止血が困難な患者の止血にも使用されている。われわれは止血術, 大量輸血にもかかわらず, 出血性ショックから脱しない2名の患者に対して, 血液凝固第VII因子を使用し止血に成功した症例を経験したので報告する。1例目は常位胎盤早期剥離の患者で緊急帝王切開施行後も出血傾向が持続し, 輸血療法施行するも循環動態が安定せず, 緊急子宮全摘術を施行。術後も出血が止まらず, そこで血液凝固第VII因子製剤 (ノボセブン®) 4.8mgを投与したところ, 出血量は減り循環動態は安定した。2例目は肋骨に発症したEwing肉腫に対して開胸腫瘍摘出術施行した患者で, 術後胸腔ドレーンからの出血が持続し出血性ショック, 心停止状態となり, その後2回の開胸止血術施行するも止血は困難な状態であった。そこで血液凝固第VII因子製剤 (ノボセブン®) 4.8mgを投与したところ, 出血量は減少した。以上, 2名においては血液凝固第VII因子の効果は良好であり副作用は認められなかった。投与量, 投与時間を含めて今後さらなる使用経験が必要である。

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