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日本救急医学会雑誌
Vol. 21 (2010) No. 4 P 147-158

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http://doi.org/10.3893/jjaam.21.147

総説

日本におけるコンサルテーション・リエゾン精神医学と救急医療との関係は非常に深く,救急医療の発展とともに産まれ,発展してきたといっても過言ではない。その救急医療との関わりには様々なスタイルがある(一般的に精神科リエゾンは病棟に精神科医が常駐し,精神疾患に対応する方法を指すことが多い。それに対し精神科コンサルテーションは身体科医からの依頼により精神疾患に対応する方法をいう)。bio-psycho-socialな問題を抱えた複雑な症例が多い救命救急センターでは,リエゾン精神医療が推奨され実践的と捉えられている。臨床場面において,自殺企図患者のケア,せん妄をはじめとした精神症状の緩和など多くの課題があるが,確立した効果的な介入方法は,いまだない。いくつかの身体救急疾患においての臨床研究では精神科介入による様々な利益が示されており,今後臨床に導入されていくであろう。総合病院における精神科医のマンパワー不足も深刻化しており,とくに救急領域では高齢化を含めてpsycho-socialな面で複雑な症例が増加しているため,多職種を巻き込んだ効果的なコンサルテーション・リエゾン・チームの構築が必要である。救急医療現場では,臨床ならびに研究において,自殺患者の再企図予防,急性身体疾患に伴う様々な精神症状の治療など課題が多い。精神医療が救急医療にさらに強く関与していく必要がある。

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