日本救急医学会雑誌
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症例報告
G群溶血性レンサ球菌による壊死性筋膜炎の1例
辻 英輝生田 耕三野中 優江吉永 孝之太田 悟司
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2013 年 24 巻 1 号 p. 30-35

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抄録

我々はG群溶血性レンサ球菌(以下G群溶連菌)による壊死性筋膜炎の症例を経験したので報告する。症例は76歳の男性。発熱と左下肢腫脹を主訴に来院した。来院時足関節より末梢の発赤と腫脹があり,その後急激に左下肢の発赤範囲が増強し,一部水疱・壊死を認め壊死性筋膜炎と診断した。広域抗菌薬を投与し,入院翌日には左下肢に対してデブリドマンを施行した。入院時の水疱内容物と創部培養からG群溶連菌Streptococcus dysgalactiae subsp. equisimilis(SDSE)の発育を認めたため抗菌薬をアンピシリンに変更した。左下肢皮膚欠損部位には第43病日,第92病日に皮膚移植術を施行した。その後の経過はよく,第111病日に退院となった。近年A群溶連菌だけでなく,G群溶連菌による壊死性筋膜炎が増加しており,デブリドマンとともに適切な抗菌薬投与が必要である。

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© 2013 日本救急医学会
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