日本救急医学会雑誌
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皮弁形成術による重度下腿開放骨折の治療結果の検討
土田 芳彦浅井 康文斎藤 丈太
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2004 年 15 巻 10 号 p. 537-545

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抄録

高エネルギー損傷の結果として生じる治療困難な重度下腿開放骨折(Gustilo type III B, C)に対する皮弁形成術の有用性について検討した。対象症例は2000年4月から2003年10月までの期間において,当救命救急センターにて加療を行った重度下腿開放骨折9例である。男性8例,女性1例で,受傷時平均年齢は32.9歳であった。以上の症例に対して受傷時に積極的デブリドマンと一時的創外固定術を施行し,さらに可能な限り受傷後数日以内に皮弁形成術による軟部組織再建術と確定的骨接合術を施行した。その結果,9例中7例において患肢温存が得られたが,2例は後日切断術を施行した。患肢温存が得られた7例のうち6例は1次骨癒合が獲得され,平均骨癒合期間は5.5か月(3~7か月)であった。骨癒合が遅延した1例に対しては追加骨移植術によって骨癒合が得られた。合併症として骨髄炎を併発した症例は認められなかった。2cm程度の脚短縮が1例に認められたが,10度以上の角状変形と回旋変形を認めた症例はなかった。さらに膝関節可動域および足関節可動域は比較的良好に保たれ,全例受傷1年以内に杖なし歩行が可能となった。重度開放骨折に対する早期皮弁術は非常に有効な手術手技である。

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