症例は62歳の男性。自宅で推定5日間倒れていたところを発見され他院を経て救急搬送となった。高血糖性昏睡,感染症のためICU入院治療施行していたが,第3病日,吸引刺激後,突然呼吸停止を起こし気管挿管,人工呼吸管理施行した。その後刺激による四肢の筋強直と自律神経活動異常の増悪がみられ,第7病日に全身型破傷風と診断し破傷風に対する治療を開始した。その後,集中治療管理で破傷風は改善し,第82病日にリハビリテーション目的に転院となった。入院当初より破傷風を示す臨床症症状があったにもかかわらず,他の合併症のため診断に苦慮した。本症例を通じて臨床症状より早期に破傷風と診断し重症化への予側と早期からの治療の必要性が考えられた。