1992 年 3 巻 6 号 p. 456-460
1982年4月から1991年12月までに経験した胆石手術症例2,115例中,胆嚢結石急性胆嚢炎174例について,retrospectiveに臨床的検討を加えた。発症より手術までの期間により次の3群に分け,年齢,性別,臨床検査所見,手術時間,出血量,術後入院期間,総入院期間,合併症を比較検討した。(1)早期手術群:発症より3日以内に手術施行(65例),(2)中間期手術群:発症より4日以後29日以内に手術施行(93例),(3)待期手術群:発症より30日以後に手術施行(16例)。3群で年齢,性別,臨床検査所見,手術時間,出血量,合併症,術後入院期間に有意差は認められず,総入院期間のみ(1)群は(2)群よりも有意に短く,(2)群は(3)群よりも有意に短かった。急性胆嚢炎に対する早期手術は,安全に施行でき,総入院期間を短縮できると考えられた。