日本乳癌検診学会誌
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原著
当院の非浸潤性乳管癌(DCIS)におけるマンモグラフィ(MMG)および超音波(US)の仮想検診感度の比較
岡崎 寛子辻本 文雄太田 智行岡本 恭子印牧 義英中島 康雄岩谷 胤生緒方 晴樹太田 智彦福田 護前田 一郎
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2009 年 18 巻 2 号 p. 176-181

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抄録
2005年1月~2007年10月の間に当院でMMGとUSを施行され,手術検体で非浸潤性乳管癌(DCIS)と診断された53症例を対象とし,各々カテゴリー3以上を正診として仮想検診感度を求め,両者の比較を行った。
仮想検診感度は,MMGで71.7%(38/53),USで81.1%(43/53)と有意差は認めなかった。年齢別に解析した結果では,49歳以下でMMG 75.0%(21/28),US 82.1%(23/28),50歳以上ではMMG 68.0%(17/25),US 80.0%(20/25)であったが,有意差は認められなかった。USは,DCISの検出においてMMGに劣らなかった。また,53症例中,MMG・US何れの検査でも検出できたものは54.7%(29/53),MMGのみで検出できたものは17.0%(9/53),USのみで検出できたものは26.4%(14/53)であり,うち5例に点状高エコーを認めた。石灰化検出におけるUSの意義も検討すべき結果となった。また,何れかの検査で検出できた症例は98%(52/53)に達し,DCISの検出においても,MMGとUSは相補的な役割を果たすと考えられた。
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© 2009 日本乳癌検診学会
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