日本乳癌検診学会誌
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ハイリスク女性に対する検診をどうするか
乳がんハイリスクグループに対する検診方法
馬場 信一
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2015 年 24 巻 2 号 p. 241-246

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抄録

乳がんは,罹患率・死亡率ともに年々増加傾向にある。その中で,最もリスクが高いのは遺伝性乳がんであり,全乳がんの5~10%程度,生涯乳がん発症率は約80%と高率である。しかし,日本ではこのようなハイリスク群の女性に対する検診指針,発症予防を目的とした取組みは未だ不十分である。 大切なことは,BRCA1 およびBRCA2 変異陽性症例を同定し,乳がん予防法(サーベイランス,リスク低減手術,化学的予防)を受けてもらうことである。当院では乳がんハイリスクグループに対し,アルゴリズムを作成し,対応している。サーベイランスとしては自己触診,医師による視触診,マンモグラフィ,超音波,MRI を状況に応じて行っている。特に高濃度乳腺や若年者に対するマンモグラフィの有効性は低く,MRI でのみ描出可能な乳がんもある。また,欧米では,BRCA 変異陽性者におけるMRI スクリーニングの有用性を示すデータもある。今回,当院におけるHBOC 診療の現状と取組みについて述べる。

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