日本乳癌検診学会誌
Online ISSN : 1882-6873
Print ISSN : 0918-0729
ISSN-L : 0918-0729
がん登録と全国集計報告
乳癌検診を全国がん登録に活かすために
馬場 紀行 福田 光枝
著者情報
ジャーナル フリー
電子付録

2017 年 26 巻 1 号 p. 42-47

詳細
抄録

平成25年(2013年)がん登録等の推進に関する法律の成立により,がん診療に従事する施設に対して全国がん登録が義務化され,2016年度に新たに診断された患者さんから登録が始められている。登録は主として治療を行った施設によってなされているために,発見されたきっかけが検診であった患者さんについては発見に最も寄与した検診施設の功績が反映されない可能性がある。26の登録項目の中には発見経緯として「がん検診・健診診断・人間ドック」があり,検診施設が登録に関与する余地がある。登録は早い者勝ちである一面があるので,検診施設が登録に参加するチャンスは大いにある。登録協力施設は公的な保健,衛生関係のHP に掲載される可能性があり,多くの民間人やメディアの眼に触れる機会がある。施設の知名度や検診精度をアピールする上でも全国がん登録に参加するべきであると考える。そのためには全国がん登録の項目について知っておくこと,より確実に登録票が受理されるために可能であれば細胞診ないし針生検を行うことが望ましい。今年度から登録データはオンライン提出される方針となっている。

著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top