日本乳癌検診学会誌
Online ISSN : 1882-6873
Print ISSN : 0918-0729
地域での人材育成
札幌市における乳がん検診精度向上を目的とした研修システムについて
11年間の実施状況と今後の課題
黒蕨 邦夫阿部 裕子山崎 理衣玉川 光春岡崎 亮岡崎 稔
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2018 年 27 巻 1 号 p. 13-17

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抄録

札幌市ではマンモグラフィに関する知識と資質の向上を図ることを目的に,平成17年度より,札幌市の乳がん検診指定医療機関の読影医師および撮影技師を対象に年1回の研修会を実施している。今回,札幌市の乳がん検診の成績を見直し,研修会の効果と問題点を検討した。 検討方法は平成17年度から平成27年度までの11年間の札幌市の乳がん検診の成績(受診者数,受診率,要精検率,精検受診率,がん発見率,陽性反応適中度)の推移を検討した。 研修会参加人数は過去11年間で延べ読影医師457名,撮影技師551名が参加した。受診者数(受診率)は平成21年度に受診者数52,914名(受診率31.1%)とピークを迎え,以後上昇はしていなかった。要精検率および精検受診率では改善がみられた。がん発見率も上昇傾向を示し,平成27年度では0.43%であった。がん発見率の向上に加え,要精検率が改善されたことにより,陽性反応適中度は平成21年度より上昇傾向がみられ,平成27年度は8.39%であった。 研修会を継続して行うことが,検診精度の向上・維持するための一定の効果があることが確認された。読影医師および撮影技師に対し,年に1回の定期的な研修会を開催することは,検診従事者の知識,技術の向上に寄与し,読影医師の読影能力および撮影技師の撮影技術の向上・維持につながり,乳がん検診精度の向上に寄与するものと考えられた。

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