日本乳癌検診学会誌
Online ISSN : 1882-6873
Print ISSN : 0918-0729
第27回学術総会/教育講演7
HRT と乳癌検診
高松 潔橋本 志歩杉山 重里小川 真里子
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2018 年 27 巻 2 号 p. 139-147

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抄録

ホルモン補充療法(HRT)は中高年女性のQOL の維持・向上に欠かすことのできないツールであり,よく知られている更年期障害や脂質異常症,骨粗鬆症のみならず,エビデンスレベルを問わなければ,閉経後に惹起されるほとんどの愁訴に有効であると考えられている。従来より懸念されていた乳癌リスクについても,肥満やアルコール摂取といった生活習慣要因による上昇と同等かそれよりも低いことが明らかになっており,乳癌リスクに及ぼすHRT の影響は小さいことに国際的なコンセンサスが得られている。 一方,HRT はマンモグラフィ所見に影響を与えることが知られており,レジメンによってその程度は異なるものの,乳腺濃度を上昇させる。このため異常所見率やrecall 率が上昇することが報告されている。ただし,HRT による乳腺濃度上昇が乳癌リスクと関連しているかどうかにはいまだ議論がある。 HRT 施行時に推奨される乳癌検診についても,一般女性同様,国や地域によって異なっている。新たなモダリティの導入などHRT 施行時の適切な乳癌検診のあり方についてはさらに議論が必要であるが,現状ではホルモン補充療法ガイドラインに従うことが望ましいと考えられる。

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