日本乳癌検診学会誌
Online ISSN : 1882-6873
Print ISSN : 0918-0729
原著
マンモグラフィ検診における乳房濃度別の異常所見検出についての検討
竹田 奈保子渕上 ひろみ井上 裕子佐藤 一彦
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2018 年 27 巻 2 号 p. 173-177

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抄録

乳房温存手術の適応となる比較的小腫瘤の乳癌について,乳房濃度別にマンモグラフィ(以下MMG)による読影所見と異常所見検出率を比較し,併せて非乳癌症例を用いて偽陽性率を検討した。2015年1月から2016年10月までに腫瘤形成性乳癌と診断され,乳房温存術を施行した134症例と,同時期の非乳癌1,036症例を対象とした。各々に対して,背景の乳房濃度を脂肪性および乳腺散在の非高濃度群と不均一高濃度および高濃度の高濃度群に分け,各群の年齢,腫瘤径,読影所見内容を比較した。乳癌症例の乳房濃度は非高濃度群で46症例,高濃度群で88症例であった。年齢中央値は非高濃度群で65歳(36~91歳),高濃度群で53歳(37~76歳)と高濃度群において有意に若年であった(p<0.05)。病理学的腫瘤径の中央値は非高濃度群で15mm,高濃度群で15mm と差を認めなかった(p=0.23)。カテゴリー3以上の異常所見は,非高濃度群で44症例(95.7%),高濃度群で76症例(84.4%)と有意差は認められなかったが,MMG 所見内容においては,腫瘤が36症例(78.3%)と36症例(40.9%),構築の乱れは4症例(8.7%)と24症例(27.3%)と有意な差が認められた(p<0.05)。非乳癌症例における偽陽性例は,非高濃度群の17症例(5.6%)に対して高濃度群で89症例(12.2%)と有意に多かった(p<0.05)。以上より,高濃度乳房では腫瘤の感度・特異度とも低下する傾向が認められ,またMMG 読影に際し構築の乱れに注意を払う必要があると考えられた。

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