日本乳癌検診学会誌
Online ISSN : 1882-6873
Print ISSN : 0918-0729
原著
マンモグラフィ2方向から病変の位置を推定する簡易手法を用いた位置情報支援ツールの考案
川崎 あいか小清水 佳和子有泉 千草井上 謙一荒井 学合田 杏子長島 美貴土井 卓子
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2018 年 27 巻 2 号 p. 179-186

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抄録

乳癌検診におけるマンモグラフィ(MG)と超音波検査(US)を用いた総合判定方式は,独立判定方式と比べて特異度の上昇が期待できる。総合判定を臨床の場で実践していくには,MG で描出した病変がUS ではどこに該当するかを正しく推定することが重要である。MG で描出した病変の位置を推定する方法は,2015年に発行された『マンモグラフィと超音波検査の総合判定マニュアル』に掲載されているが,臨床の場でより手軽に簡便に位置を推定するための新しいツールを考案した。 このツールは,ベース盤に鉄粉入りシートを使用し,マグネットを使用して推定位置を表示する。推定の手順は,CC,MLO ともにFPD(CR・アナログではカセッテホルダ)の傾きを基軸とし,乳頭から乳房辺縁までを3等分にした比率をもとに基軸上の該当位置に印をつけ,各基軸の印から垂線を引く。垂線が交差した場所がMG で描出した病変の推定位置となる。2014年1月から2015年7月の間に両検査を施行した100症例について,このツールを用いてMG 画像から推定した病変の位置とUS で検出した病変位置の方向および距離の誤差を検討した。方向誤差は15°以下の症例が91%,距離誤差を認めなかった症例が96%であり,他の方法と遜色ない結果であった。 このツールは安価に作成でき,複数病変にも対応可能である。MG 画像の病変の位置をそのまま各軸に投影する手法を用いた位置情報支援ツールは,簡便に自動的に時計表記に変換でき,位置推定時の労力軽減効果が期待できる。

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