日本乳癌検診学会誌
Online ISSN : 1882-6873
Print ISSN : 0918-0729
画像診断医,病理医の立場からみた検診のジレンマ
精密検査において経過観察を推奨するカテゴリーを明確にすべきである
宇佐美 伸大貫 幸二渡辺 道雄梅邑 明子高木 まゆ
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2018 年 27 巻 2 号 p. 81-85

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抄録

BI-RADS では複数の画像を総合的に判断してカテゴリーを決定しており,その後に行うべき方針が示されている.一方,日本で広く用いられている5段階のカテゴリー分類は検診用であり,悪性の可能性を予測しているが最終的には精密検査の要否を示しているにすぎない.このカテゴリー分類を精密検査の場面でも無自覚に用いると,そこに経過観察という推奨がないために不必要な精密検査が行われる可能性がある.本検討では経過観察が適切と思われるグループを明らかにすることを目的とし,検診で石灰化カテゴリー3と判定され当科で精査を行った133例の転帰をretrospective に検討した。初診時,超音波検査でカテゴリー1,2だった109例は,MRI やステレオガイド下吸引式針生検は行わず経過観察としたところ,6症例(5%)が乳癌と診断された。カテゴリー3の12例では3例(25%),カテゴリー4以上の12例では12例(100%)が乳癌であった.また,乳癌と診断された全例で転移・再発・死亡例はなく予後は良好であった。分泌型と考えられるamorphous な石灰化(カテゴリー3)については,乳癌だとしても悪性度の低い非コメド型か,コメド型の極初期の可能性が高く,US でカテゴリー2以下の場合,経過観察という時間軸を使うことによって,比較的安全に不要な精密検査や過剰診断を回避できると考えられた。

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