日本乳癌検診学会誌
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第28回学術総会/シンポジウム1
乳腺濃度を客観的に提示する手法への期待と課題
篠原 範充
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2019 年 28 巻 1 号 p. 13-16

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抄録

乳腺濃度が高い場合,乳がんの罹患率が高いだけでなく,その受診者のマンモグラフィにおける乳がんの検出感度が低下することが示されている。乳腺濃度は,乳腺画像診断を専門とする医師が,マンモグラフィガイドラインを基に判定した場合でも一致率が低い症例がある。さらに2014年に発表されたACR BI―RADS では,乳腺の割合を示す規定値が記載されておらず,乳腺濃度を主観的に判断することは困難な症例があることは否定できない。 この問題点を解決するためにソフトウエアなどを用いて客観的に乳腺濃度を提示する手法が提案されている。Philips 社製のMicroDose は,フォトンのエネルギーを弁別し,物質の推定が可能となる。そのため,これらSpectral imaging 情報により,乳腺濃度が推定できる可能性がある。一方,Hologic社製乳腺密度評価ソフトウエアQuantra,Volpara Solutions 社製Volpara Enterprise,Siemens 社製Insight BD,富士フィルムメディカル社製AMULET Innovality 乳腺量算出ソフトなど,画像処理だけでなく,乳房の厚みを考慮して画素ごとに乳腺割合を算出して統合することで体積割合を算出するソフトが主流となっている。これらソフトにより一定の客観性を示すことは有用であり,受診者自身が乳腺濃度を認識することで,マンモグラフィで病変が覆い隠されてしまう危険性を理解することができる。また,施設側の説明も容易になり,受診者にも追加検査の理解が深まると考える。 これら客観的な提示は有効であるが,医師の判定などGolden standard との一致率(何をGolden standard にするのか?)やどの程度の性能を必要とするかなど議論すべき点は多い。

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