日本乳癌検診学会誌
Online ISSN : 1882-6873
Print ISSN : 0918-0729
ISSN-L : 0918-0729
原著
40歳台の乳癌マンモグラフィ検診における超音波検査併用への期待
――乳癌手術症例から40歳台の乳癌の特徴を解析し死亡率減少の可能性を探る
大岩 幹直遠藤 登喜子佐藤 康幸森田 孝子林 孝子須田 波子加藤 彩宇佐見 寿志安藤 嘉朗市原 周西村 理恵子
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ジャーナル 認証あり

2019 年 28 巻 1 号 p. 37-44

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抄録

40歳台の乳癌の生物学的特徴を50歳以上と対比することで明らかにし,さらに検診発見例と有症状例とを比較・分析することで,40歳台のマンモグラフィ(MG)検診に超音波(US)検査を併用することが死亡率の減少につながるかを検討した。 2012年4月から2016年3月に当センターで手術を行い,乳癌と診断された695人の女性から,手術時年齢が40歳以上で発見契機が検診(MG,US 検査,触診)もしくは有症状であり,治療前にMG が撮影されていた,40歳台の浸潤癌145乳房(例)と50歳以上の浸潤癌340例を対象とした。 40歳台では,50歳以上と比べて低悪性度がやや多く(26.2vs.19.7%,P=0.112),HER2・triple negative は有意に少なく([2.8 vs. 9.1%,P=0.014]・[8.3 vs. 16.5%,P=0.018]),luminal B が有意に多くみられた(63.9vs.46.3%,P<0.001)。また,Ki67値は,50歳以上では高濃度乳房でやや高値であるのに対して,40歳台では非高濃度乳房で有意に高値であった(P=0.034)。さらに,40歳台の非高濃度乳房では,luminal B の割合が特に高く(高59 vs. 非77%,P=0.047),50歳以上の非高濃度と比べてKi67値が有意に高かった(P=0.044)。 40歳台のluminal B 乳癌では,US 発見例と有症状例との増殖能の高さに有意な差はみられず,MG 発見例よりも有意に高いことから(P=0.047),40歳台のMG 検診にUS 検査を併用することにより生命予後の改善に寄与する増殖能の高いluminal B を早期発見できる可能性が増えると考えられた。

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