日本乳癌検診学会誌
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第28回学術総会/シンポジウム1
高濃度乳房とJ-START
鈴木 昭彦石田 孝宣原田 成美塩野(成川) 洋子鄭 迎芳大内 憲明
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2019 年 28 巻 1 号 p. 5-8

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抄録

高濃度乳房ではマンモグラフィによる乳癌検診の精度が低下することが知られており,社会問題としてクローズアップされている。その対応として追加検査の必要性などが取り沙汰されているが,その候補となる超音波検査に関しても,検診で思考した場合の死亡率減少効果に関するエビデンスは存在しない。J―START は高濃度乳房に特化した研究ではないが,40歳代の比較的高濃度乳房が多い世代を対象としており,高濃度乳房と乳癌検診,超音波検査に関する多くの知見が得られている。 今回宮城県対がん協会でJ―START に参加した受診者を乳房構成別に分類し,検診の精度,超音波検査の有用性に関して検討を行った。マンモグラフィによる乳癌の発見感度は,高濃度乳房と非高濃度乳房で有意差はなく,デジタルマンモグラフィのソフトコピー診断の普及などで高濃度乳房内での乳癌検出率が向上している可能性が示唆された。超音波検査の上乗せ効果に関しては,高濃度乳房の群で効果が高い傾向がみられるが,非高濃度乳房でも一定の超音波単独発見症例がみられ,非高濃度乳房に対する超音波の上乗せ効果が期待できることが示された。近代的な機材,教育・精度管理のもとで行われる乳癌検診では,40歳代女性の高濃度乳房と非高濃度乳房とを区別した検診を行う意義は小さいと考えられる。

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