日本乳癌検診学会誌
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原著
当院におけるステレオガイド下吸引式乳房組織生検の工夫
高木 優奈岩本 奈織子齋藤 恵子池田 早苗奥村 昭雄
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2019 年 28 巻 2 号 p. 103-108

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抄録

カテゴリー3以上の石灰化症例は,ステレオガイド下吸引式乳房組織生検(以下ST―VAB)の適応となる場合があるが,石灰化の位置や乳房厚が薄い等の理由でST―VAB 困難症例が少なくない。当院ではST―VAB 困難症例に対して,底上げ法や2016年9月に新たに導入した吸引装置EnCor(BD 社)のhalf 機能を活用するなど,工夫をして対応してきた。2016年9月~2018年1月に当院でST―VAB の対象となった75症例について評価した。 実施症例のうち乳房厚や石灰化の位置を理由にST―VAB が困難であることが予側され,工夫を要した症例が26症例(35%)あった。それら困難が予測された症例のうち,ST―VAB 前にシミュレーションを実施したのが13症例(50%),その結果3症例(12%)をST―VAB 不可症例と判断した。また,不可症例を除くST―VAB 困難症例は,底上げ法を12症例(52%),half 機能活用を2症例(9%),底上げ+half 機能の活用の併用法を4症例(17%),その他3症例(13%)で工夫をし,シミュレーションによって工夫をしない通常対応で石灰化の吸引ができると判断した症例が2症例(9%)あった。工夫なしで対応したST―VAB 通常症例の乳房厚(中央値)は40mm(範囲:28~67mm)であった。これに対し,工夫を要したST―VAB 困難症例の乳房厚(中央値)は29mm(範囲:18~40mm)だった。実施したST―VAB 困難症例23症例中,6症例(26%)は悪性だった。 ST―VAB 困難と予測された症例であっても,工夫により全症例で石灰化の採取ができた。ST―VAB 困難症例について,放射線技師が工夫をした対応をすることは重要であると思われた。

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