日本乳癌検診学会誌
Online ISSN : 1882-6873
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原著
女性職員検診で発見された乳癌の検討
山岸 妃早代篠木 寛子小宮 裕文
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ジャーナル 認証あり

2019 年 28 巻 2 号 p. 121-126

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抄録

今回,当院乳腺外科外来開設を契機に,35歳以上の全女性職員を対象に乳がん検診を実施し,その結果発見された乳癌,検診成績から検診の有用性を検討した。検診の期間は2017年7月から2017年11月まで,35歳以上の全女性職員228名を対象に行った。検診内容は,マンモグラフィ(以下MG)単独・超音波検査(以下US)併用,US 単独であった。その結果,検診を受診したのは35~70歳まで平均年齢45.8歳の180名で,検診受診率約79.4%であった。MG 単独・US 併用の検診成績は,各々要精検率6.15%・3.85%,陽性反応適中度12.5%・40%,がん発見率0.77%・1.5%であった。発見された乳癌は2例で,いずれも乳がん検診初回受診者で,1例が非浸潤性乳管癌(以下DCIS),1例が浸潤性乳管癌の硬性型であった。DCIS 症例はMG 陰性で,US が発見契機であった。総合判定することで,発見率が2倍となり,不要な精検を減少させ,検診精度を向上させるのに有効であった。今回の職員検診実施により,乳がん検診初回受診者のなかから無自覚の段階の乳癌2例を発見できた意義は高い。また職域検診としての精度は保たれており,検診実施の有効性は裏付けられた。今後も最終目標である乳癌死減少を目指し,適宜US を併用したうえで精度を保ち,特に検診受診歴のない者のさらなる検診受診率向上に努めたい。

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