日本乳癌検診学会誌
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症例報告
検診マンモグラフィを契機に診断された異なる臨床病理学的特徴を持つ乳腺管状癌の3例
安田 潤小林 哲郎大西 純子田川 由樹満田 彩花田 正人
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2019 年 28 巻 2 号 p. 127-131

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抄録

乳腺管状癌は,『乳癌取扱い規約』において浸潤性乳癌の特殊型に分類され,その発生頻度は約1%と少なく,予後は良好であるとされている。今回,検診マンモグラフィを契機に診断された,異なる臨床病理学的特徴を持つ乳腺管状癌の3例を経験したので報告する。 症例1:80歳代女性。右乳房にspicula を伴う不整形小腫瘤を指摘された。症例2:60歳代女性。検診マンモグラフィで左乳房にspicula を伴う不整形腫瘤を認めた。症例3:40歳代女性。検診マンモグラフィで右乳房に微小石灰化の集簇を認めた。いずれの症例も乳房温存手術とセンチネルリンパ節生検を施行し,症例2はセンチネルリンパ節が陽性であったため,腋窩郭清を行った。病理組織診断では症例1,2は純型(pure type)で,症例3は混合型(mixed type)であった。3例ともER/PgR 陽性で,HER2受容体は症例2のみ陽性であった。全例に術後放射線治療を施行し,症例2,3は内分泌療法を行った。いずれも2年以上経過し無再発生存中である。 検診マンモグラフィの普及により,管状癌のような小病変の発見が今後増加することも予想される。管状癌は予後良好であるとされるが,自験例のように腋窩転移,HER2陽性の症例も存在するため,症例の蓄積によるさらなる臨床病理学的な検討が必要と思われる。

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