日本乳癌検診学会誌
Online ISSN : 1882-6873
Print ISSN : 0918-0729
ISSN-L : 0918-0729
原著
検診マンモグラフィ要精査症例における乳腺密度と精査結果
岩本 奈織子奈良 美也子矢部 早希子才田 千晶大西 舞後藤 理紗石場 俊之宮本 博美本田 弥生有賀 智之
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2020 年 29 巻 1 号 p. 69-73

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抄録

乳腺密度測定ソフトウェアは,客観的な密度判定が可能であるため,今後検診での有用性が期待されている。今回われわれは,マンモグラフィ(MG)検診異常症例の精査結果と乳腺密度について検証したので報告する。 対象は2019年2月から同年の7月までの期間に,検診目的のMG で異常を指摘され,精査目的に当院を受診した108症例を対象とした。乳腺密度測定ソフトウェアはVolparaTMを使用,Volpara density grade でaまたはb判定の症例をNon-dense group,cまたはd判定の症例をDense group と定義した。両群の圧迫乳房厚(MLO view),精査結果をカイ二乗検定により後方視的に比較した。 全症例の年齢中央値は51.5歳,圧迫乳房厚中央値は41mm で,Non-dense group(16例,15%)とDense group(92例,85%)に分類された。Dense group の年齢中央値は48.5歳で,Non-dense group よりも50歳未満が多かった(51% vs. 12.5%,p=0.004)。圧迫乳房厚30mm 未満の症例は全症例Dense group であった(26% vs. 0%,p=0.02)。両群において,精査MG でもカテゴリー3(C-3)以上と判定された割合や,悪性の頻度の差は認められなかった。 MG 検診異常症例の85%が高濃度乳房であり,そのなかには圧迫乳房厚30mm 未満の薄い症例が一定数含まれていた。乳腺密度の評価など検診における対策が今後の課題と考えられた。

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