日本乳癌検診学会誌
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症例報告
特徴的なhyper vascular echo像を呈したnipple adenomaの1例
米沢 圭
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2024 年 33 巻 1 号 p. 91-94

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抄録

症例は51 歳女性。右乳頭からの出血に気づき当科受診。右乳頭に約1cm 大の赤色・ 乳頭状で易出血性の腫瘤を認めた。もともと両側陥没乳頭で腫瘤は陥没部から隆起していた。乳房超音波検査(US)では右乳頭陥没部内に12.7mm の境界明瞭な乳頭状の低エコー腫瘤を認めた。ドップラーエコー(CDI)では血流は極めて豊富で,深部から浅部に向かい直線状にほぼ平行に走る10 本ほどの動脈性の血流を認めた。箒の穂の様な走行が特徴的であった。切開生検を行うと,筋上皮を伴う乳管上皮が密に管状・乳頭状に増殖しておりnipple adenoma と診断した。初診後1カ月で形成外科にて局所麻酔下に右乳頭部腫瘤摘出術を施行した。切除標本の病理診断も同様であった。腫瘍内,特に表層部に多数の血管像が確認できた。術後の右乳頭の形態は良好で再発も認めていない。nipple adenomaは乳頭内または乳頭直下から発生する乳頭状ないし充実性の良性腫瘍で比較的まれな疾患である。Paget 病等の悪性疾患との鑑別が問題となる。報告例は皮膚科からのものが多くUS 所見の報告例は少ない。しかしCDI 施行症例では当症例のように血流が豊富と報告されており,今後症例の集積により,このような血流所見が同疾患の鑑別に役立つ可能性もあると考えられた。nipple adenoma の1例を経験し,特徴的なhyper vascular image を認めたので文献的考察を加えて報告する。

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