日本結晶成長学会誌
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多結晶ダイヤモンド表面を用いた電解質溶液FETsのバイオセンサへの応用(<小特集>バルク成長分科会特集-機能性材料ダイヤモンド-)
宋 光燮中村 雄介出川 宗里佐々木 順紀梅沢 仁川原田 洋
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2004 年 31 巻 4 号 p. 335-340

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抄録

多結晶ダイヤモンド基板を用いてダイヤモンド電解質溶液FETを作製し(Electrolyte solution-gate diamond FETs:SGFETs),電解質溶液中で安定的に動作するバイオセンサとして利用してきた.水素終端ダイヤモンド表面はハロゲンイオンに対して約30mV/decadeの感応性があり,これは細胞生物反応の検出に応用できる.ダイヤモンド電解質溶液FETの水素終端表面チャネルはアンモニア雰囲気中で紫外光を照射することで部分的にアミノー酸素終端に改質することができる.この表面はpH感応性があり,さらに生体分子固定に利用できる.pH2からpH10の範囲で約50mV/pHのpH感応性が得られる.このpH感応性を用いて,ダイヤモンド電解質溶液FETのチャネル表面に固定された酵素の触媒・酸化作用によるpH変化を測定することで尿素や糖の基質濃度を検出した.尿素,糖に対する感応性はそれぞれ約30mV/decade,20mV/decadeであった.

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© 2004 日本結晶成長学会
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