2007 年 34 巻 3 号 p. 139-145
分子線エピタキシャル成長による半導体ナノ構造作製技術は,量子井戸構造にはじまり,量子細線・量子ドットなどの低次元量子構造の作製を可能にしてきた.これらの一次元ないし二次元の構造に対しては,膜厚や表面粗さというより,三次元的な形状や内部のひずみ・組成の定量的な測定が求められる.本稿では,自己形成InAs/GaAs(001)量子ドットを対象に,シンクロトロン放射光X線回折による形状・ひずみ・組成などの構造評価技術について概説する.さらに,量子ドット成長の制御に向けた,成長中のその場・実時間X線回折測定への展開について紹介する.