日本結晶成長学会誌
Online ISSN : 2187-8366
Print ISSN : 0385-6275
ISSN-L : 0385-6275
重力下における剛体球系結晶中の積層欠陥の振舞とコロイドエピタキシー(<特集>ナノからサブミクロンサイズ粒子の結晶化と構造形成)
森 篤史
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 36 巻 2 号 p. 112-119

詳細
抄録

剛体球模型を用いた,コロイド結晶中の欠陥消失の研究について解説を行う.周期境界からの応力によりfcc(001)積層した場合に,ショックレーの部分転位のグライドによる機構を介して,原子空孔型の積層欠陥が短縮することを,モンテカルロ(MC)シミュレーションによって観察した.弾性論計算によって,ショックレーの分転転位による弾性場も重力の効果のいずれもが,積層欠陥を短縮させるような駆動力を生じることを示した.シミュレーションボックスからの応力によるfcc(001)積層という人工性を解決するために,正方格子パターンを有した底面への剛体球結晶の成長のMCシミュレーションを行い,コロイドエピタキシーのデモンストレーションと,その場合に,平面基板の場合と較べて,より小さな重力で欠陥の消失が起きることを示した.

著者関連情報
© 2009 日本結晶成長学会
前の記事 次の記事
feedback
Top