日本結晶成長学会誌
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III族窒化物半導体(Al,Ga)Nにおける発光特性と点欠陥の相関関係(<特集>窒化物半導体結晶中の欠陥)
秩父 重英上殿 明良
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2009 年 36 巻 3 号 p. 166-177

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抄録

III族窒化物半導体薄膜・量子井戸の発光効率は,一般には基板との格子不整合に由来する高密度の貫通転位により制限されているとされているが,点欠陥の役割については言及されていなかった.本稿では,バンド端発光の内部量子効率や,深い準位が関与する発光帯の強度と点欠陥密度が強く相関していることを,時間分解フォトルミネッセンスおよび陽電子消滅測定法を用いて紹介する.GaN中の非輻射再結合中心の起源がGa空孔形成時に作りこまれる点欠陥複合体であることを示し,AlGaN混晶においてもIII族空孔が関与する点欠陥複合体であることを示す.また,III族空孔密度と深い準位による発光の強度に強い相関があることを示し,点欠陥制御の重要性を説明する.

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© 2009 日本結晶成長学会
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