日本結晶成長学会誌
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OMVPE法により作製したEu添加GaNの発光特性及び赤色発光ダイオードへの応用(<特集>次世代素子のための窒化物結晶成長新機軸)
西川 敦寺井 慶和藤原 康文
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2012 年 38 巻 4 号 p. 270-273

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抄録

GaNをベースとした赤色発光ダイオード(LED)は,モノリシック型高精細LEDディスプレイやLED照明へ応用できるため,非常に期待されている.本研究では,有機金属気相エピタキシャル法によるEu添加GaNの作製を大気圧下によって行い,発光特性の向上を目指した.結果,発光に寄与するEu^<3+>イオン数の増大及びGaN母体材料からEu^<3+>イオンへのエネルギー輸送の促進ため,Eu添加GaNを活性層とするLED発光強度の顕著な向上が観測された.さらに,活性層厚の増大に伴い発光強度が増大し,活性層厚900nmにおいて光出力50μWを実現した.このとき,外部量子効率は0.12%あった.以上の結果より,Eu添加GaNによる赤色LEDの実用性を強く期待させる知見が得られた.

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© 2012 日本結晶成長学会
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