有気噴射における薬液の付着状況と合理的散布を行うに必要な薬液の物理的性質を知るために,噴霧装置,付着面,散布薬液をモデル化して実験を行った。その結果風速が3m/sec以上の場合に風圧によって付着した薬液がうすく拡げられること,したがって付着量は液の物理的性質が中程度の場合に多く,よくなるほどかえって減少すること,ただし,液が間隙まで入りやすくなり,面に均等に拡がり,過剰な液は押し出されるので散布量の節約ができることを知った。このさい薬剤の付着量は薬剤の濃度と付着量の積によって決まるから,散布量を減らし濃厚液をまくことによって付着薬剤量を調節できる。面としてはパラフイン面の付着量が少ない。噴霧密度は高いほうが付着量が多い。したがって同じ条件で散布する場合は噴霧密度の高いほうが液の損失は少ない。有気噴射の特長を生かし,風圧を利用した散布をするには,付着量を多くする必要のあるときには表面張力34∼35dyne/cm,拡展指数6.5∼8.0,木綿糸沈降速度4分以上,少量散布を行う場合には表面張力34∼35dyne/cm,拡展指数8.0以上,木綿糸沈降速度2分以内という一応の基準が得られた。