日本応用動物昆虫学会誌
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ニカメイチュウにおける休眠と発育の地域性
岸野 賢一
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14 巻 (1970) 1 号 p. 1-11

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抄録

わが国において,ニカメイチュウの発生時期や発生回数が地域によって異なる原因を解明しようとして,産地の異なる材料を用いて越冬世代の後休眠期発育,休眠の誘起,夏世代の幼虫発育について実験を行なった。
1. 越冬世代虫の後休眠期発育は地域によって差がみられ,北緯36°∼40°にかけて発育の速い地帯があり,その南北両側に発育のおそい地域がある。
2. 後休眠期発育は,1, 2回発生地帯とも,北のものほど速いという勾配変異がみられるが,発生の境界地域で勾配変異の逆転がみられ,この変異は連続的と考えられる。
3. 越冬世代蛹期間にも地域性がみられ,4群に類別できた。
4. 休眠誘起の臨界日長は原産地の緯度と高い相関関係があり,緯度にしたがった勾配変異が認められた。この値は南のものほど低く,発生回数や生態型とはあまり関係がないようである。
5. 非休眠条件では幼虫発育にも地域差が認められた。この地域的変異は,後休眠期発育にみられた勾配変異と同じ傾向を示した。

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