日本応用動物昆虫学会誌
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カキを加害するカイガラムシ類の研究
第2報 フジコナカイガラムシとオオワタコナカイガラムシ越冬幼虫の相互関係
上野 晴久
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1971 年 15 巻 4 号 p. 211-214

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抄録

フジコナカイガラムシとオオワタコナカイガラムシの寄生密度がかなり高く,両者ほぼ同程度寄生していると思われた平核無園のカキ35本をもちいて,両者の寄生状況を比較調査した。
樹単位の両者の園内分布は集中分布を示し,特定の樹にとくに寄生密度が高かった。フジコナカイガラムシの芽順別1芽平均寄生虫数は,第1芽がとくに高く,第2芽以下と有意な差があったが,オオワタコナカイガラムシでは芽順別には差は認められなかった。
両者は芽に関しても,樹全体としても相互に影響しあうことなく,一方の存在とは無関係に,寄生場所をえらんでいた。
また両者とも寄生密度の低いときは芽に対して機会的分布を示すが,密度が高くなると集中分布を示すようになることが示された。

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