19 巻 (1975) 3 号 p. 187-192
チャノコカクモンハマキの性フェロモンおよびその構成成分であるcis-9-tetradecenyl acetate (cis-9-TDA)およびcis-11-tetradecenyl acetate (cis-11-TDA)は,室内条件ガラス容器内でこのハマキガの交尾を阻害した。cis-9-TDA,cis-11-TDA,および両者の7対3混合物による90%阻害濃度は20°C, 14L-10D条件下でそれぞれ3, 0.3,および3μg/lであった。trans体による交尾阻害効果はこの条件下ではきわめて低かった。これらの化合物をほ場に均一に蒸散させた場合,cis-9-TDA, cis-11-TDA,および混合物いずれの処理の場合も処女雌トラップの雄の飛来を阻害した。しかし,これらの化合物およびtrans異性体を処女雌トラップに付置した場合には,trans異性体およびその混合物のほうがcis体よりも強く処女雌トラップの誘引性を抑え,室内条件下でもっとも強い交尾阻害を示したcis-11-TDAはむしろcis-9-TDAに劣る誘引阻害を示した。