日本応用動物昆虫学会誌
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マシン油乳剤の散布による温州ミカンの耐凍性低下
松永 良夫
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1978 年 22 巻 1 号 p. 26-32

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抄録

マシン油乳剤を温州ミカンに対して冬期に散布すると,高粘度のオイルは低粘度のものに比べて,葉内への初期移行量はより少なかったが,10日以上を経過すると,その残留量はより多くなった。
温州ミカンの耐凍性はオイルの散布により低下する。低下の程度は,散布から低温処理までの期間が長いほど著しい。また,オイルの粘度が低いほど移行速度が早く,耐凍性は速やかに低下した。しかし,オイルの葉内への移行に十分な期間を経過した後では,オイルの粘度にかかわりなく,耐凍性の低下はほぼ同等であった。これらの結果は,耐凍性が葉内に移行したオイルの量によって支配されていることを示すものである。
耐凍性低下の直接の原因は,主として葉内の可溶性糖の異常な消費による濃度低下のためと考えられた。オイルの散布後に発生した春葉には,オイルは全く移行しなかった。

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