京都府下夜久野町のクリ園(筑波5年生植栽)で,クリイガアブラムシの発生消長と移動及び分散との関係を調査し,以下の結果を得た。
1. 幹母→普通型(5世代)→産性型→有性型の計8世代を経過する。
2. 発生消長には2つの型がある。ひとつは樹皮上の幼虫が,6月下旬ごろからきゅう果へ第1次移動を行った後に増殖して高密度に達するもので,他は8月中旬ごろまでほとんど寄生が認められないのに第2次樹内移動及び樹間分散後に急増するものである。当然,若はぜによる被害は前者に大きく,後者ではほとんど認められない。
3. 第2次移動は8月下旬から9月中旬にかけて,主として1令幼虫によって行われ,かなり大視模な樹内・樹間の分散が起こる。ただし,1令幼虫の推定歩行距離や各樹の寄生きゅう果率変動からみて,樹間分散は広域に拡がるのではなくて狭い範囲にとどまる。